東京大学新総長選で教職員の得票数が少ない女性候補が選出されて

東京大学の総長選は教職員による投票では得票数が圧倒していた染谷副学長ではなく藤垣裕子教授が選考で選ばれて、東大で支配的な左翼の投票を軽視した選定だと批判される声が多い。

高市首相が逆境から地道に対策を進めて女性初総理大臣になったのと比べて、今回の東大新総長は女性初ではあるものの極端に左派的な方針を推進すれば、国民の批判はかなりのものになり得るだけに是非は難しい。

しかし思うのは左翼の教授は同じ左翼でなければ後任候補者に絶対に選ばない姿勢であれば公平と言えるのか?という問題にも通じて、マスコミや弁護士会でも左翼が支配的になり人事の掌握を死守するのであれば公平の意味は更に難しい。

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事実関係から整理します。

2026年9月28日、東京大学の総長選考・監察会議は次期総長予定者に藤垣裕子・総合文化研究科教授を選びました。任期は2027年4月から6年間で、東大初の女性総長になります。教職員の意向投票(有資格者約2583人)では、2回目で染谷隆夫執行役・副学長(工学系)が1107票(51.0%)、藤垣氏が553票(25.5%)でした。意向投票1位でない人が総長に選ばれたのは、現行制度が固まって以降初めてです。(1)

ここが重要です。東大の総長選は「教職員による選挙」ではありません。意向投票は参考資料の一つで、最終決定権は学内外委員16人の選考・監察会議にあります。会議は「所信、面接、資料、投票結果を総合的に考慮した」と説明し、理由として科学技術を社会に伝えるコミュニケーション力、学術への信頼回復、文理の壁や分断を越える力、開かれた大学への変革などを挙げています。議長の国谷裕子氏(元NHKキャスター、自然エネルギー財団理事)は、女性であることは議論の対象にならなかったと述べています。(2)

批判側の見方は明確です。投票で過半数を取った染谷氏を退けたのは「女子枠」や象徴人事ではないか、意向投票を形骸化させた、説明が「総合的に考慮」では不十分だ、というものです。アゴラや一部識者、山尾志桜里氏らからも同様の指摘が出ています。染谷氏は伸縮性エレクトロニクスの世界的研究者で、元工学部長、産学連携・スタートアップ担当の現職副学長です。工学・理学系の実利的な支持が厚かったと見てよいでしょう。一方、藤垣氏の専門は科学技術社会論(STS)と科学計量学で、科学者の社会的責任、福島原発事故後の科学と社会の関係、RRI(責任ある研究・イノベーション)などを扱ってきました。駒場(総合文化)出身・所属で、元理事・副学長として学生支援や研究倫理を担当しています。(3)

「東大で支配的な左翼の投票を軽視した」という commonsense な読みは、半分正しく半分粗いです。意向投票で過半数を取ったのは染谷氏であり、理系・工学系の票が強かったことを示しています。むしろ選考会議(外部委員が半数近く、議長が国谷氏)が、駒場寄りの「社会との対話」「信頼回復」「多様性・包摂」の語彙を重視した結果と見た方が実態に近い。東大内部でも「本郷の工学」と「駒場の教養・STS」の文化差は以前からあります。

高市首相との対比について。高市氏は自民党総裁選と国会の首班指名を経て、憲政史上初の女性首相になりました。政策的には保守寄りの立場を長年明示し、党内競争と有権者の審判を受けています。東大総長は大学法人の内部選考で、国民の直接的な審判を受けません。初の女性という象徴性は共通しますが、正統性の源泉が違います。藤垣氏が就任後、極端にイデオロギー色の強い運営(入試・人事・研究評価での特定価値観の押しつけなど)をすれば、国民や卒業生からの批判は強くなり得ます。大学は公的資金と社会的信頼に依存しているからです。

ご指摘の核心、「同じ思想でなければ後任に選ばない姿勢は公平か」は、制度論として妥当な問いです。

大学、マスコミ、弁護士会のような専門職集団では、採用・昇進・推薦の段階で「自分たちと価値観が近い人」が選ばれやすい。これは左派に限らず、どのイデオロギー集団でも起きます。結果として組織の思想分布が社会全体より偏り、自己再生産します。日本のエリート大学の人文・社会科学系、大手メディアの論調、日弁連の一部決議にそうした傾向を指摘する声は長年あります。公平の意味を「現構成員の多数決」と取るか、「長期的な機関の使命と外部社会への説明責任」と取るかで答えが分かれます。東大の現行制度は後者を意図して設計されていますが、今回のように投票結果との乖離が大きいと、前者の観点から「公正さの外見」が傷つく。

選考会議が「主体的に選ぶ」権限を持つ以上、投票を参考にすぎないと割り切るなら、最初から意向投票の位置づけをもっと明確にすべきでした。逆に、投票結果を実質的な信任と見るなら、過半数を得た候補を退けるには、能力差が明白であることの具体的な説明が必要です。どちらにせよ、曖昧な「総合的考慮」だけでは疑念は消えません。

制度の問題は、誰が「左翼」か「右翼」かというラベルより、選考過程の透明性と、異なる専門・価値観を持つ人がトップに就きうる経路が実際に残っているかどうかです。今回の決定がその経路を狭めたのか、それとも「工学系以外の視点」を入れたのかは、今後の藤垣氏の運営で検証されることになります。

Grok が提示した情報源:
(1)【速報・総長選考2026】次期総長は藤垣裕子教授 意向投票で第2位 – 東大新聞オンライン
(2)次期総長予定者の藤垣裕子教授が会見 | 東京大学
(3)東大総長に女性初の藤垣裕子教授:学内投票結果と異なる「女子枠」? | アゴラ 言論プラットフォーム