芥川賞の九段理江さんが生成AIを表現の一部に用いて執筆と発言

「東京都同情塔」で芥川賞を受賞した九段理江さんは作品の中で、生成AIが行う応答の部分をChatGPTにより作成したとの事ですが、生成AIの活用が文学の表現に与える影響が議論にもなりそうです。

文学に生成AIを用いるならば歴史上の人物を模した応答を作品に取り入れたり、異世界の詳細な設定を生成AIが作者に分かりやすく提案とか、ある時代の庶民が行いうる言動を質問に応じて再現されるならば文芸表現が高まると思われます。

更に言えば文芸作品の作中で表現される生成AIによる応答を記述するスタイルが適切になる状況から、生成AIによる応答のネットにおける引用表現が定まる事も期待できる。生成AIの応答は「背景をグレー」「文を太字」が検討に値しそう。

Google AIの大規模言語モデル「Bard」(ベータテスト中)のチャットログ
Googleによる説明ブログ記事リンク Google Japan Blog: AI の次の重要な一歩
Bardに「DeepL翻訳」英訳で、上記の三段落文章を質問した場合の応答

Bardの応答を引用
九段理恵さんが「都哀れみの塔」でChatGPTを使ったのは、ジェネレーティブAIを文学に取り入れる方法の魅力的な例です。これを取り巻く倫理的および芸術的考慮事項はまだ模索中ですが、将来の潜在的な使用に関するあなたのアイデアは、エキサイティングな可能性を提供します。

歴史上の人物をエミュレートする:登場人物が説得力のあるレンダリングされたソクラテスやクレオパトラのAIバージョンと対話し、彼らの歴史的背景や思考プロセスに新鮮な視点を提供する小説を想像してみてください。これにより、読者のエンゲージメントが深まり、新しい洞察が生まれる可能性があります。

AI支援による世界構築:作者は、詳細で信憑性のあるファンタジーやSFの設定を作成するのに苦労することがよくあります。AIは、風景、文化、技術の進歩に関する提案を提供し、著者が世界の感情的および物語的側面に集中できるようにします。

庶民の声を汲み取るよく訓練されたAIは、過去のデータ(文書、日記、インタビュー)を分析し、特定の時代の人々の言語、懸念、態度を正確に反映した対話を生成することができます。これにより、歴史小説に信憑性と深みが加わったり、普通の人々がさまざまな出来事にどのように反応したかに基づいて別の歴史を作成したりすることもできます。

AI応答のスタイルの定義:「灰色の背景」と「太字のテキスト」の提案は、AIが生成した対話と著者の散文を視覚的に区別するための良い出発点です。ただし、スタイルは最終的にストーリーに役立ち、読者の共感を呼ぶ必要があることを覚えておくことが重要です。さまざまなフォーマットオプションを検討し、音声ベースのナラティブを試すことで、エクスペリエンスをさらに豊かにすることができます。

潜在的な懸念事項を認識することが重要です。

  • 剽窃と独創性:AIが生成したコンテンツは、著者自身の作品として提示されるべきではありません。AIの使用に関する透明性と明確なアトリビューションが不可欠です。
  • バイアスと精度:AI モデルは、トレーニングされたデータに基づいてバイアスがかかる可能性があります。AIが生成したコンテンツの慎重なキュレーションと批判的分析は、有害な固定観念や不正確さを永続させないために不可欠です。
  • 芸術的コントロールとオーサーシップ:AIは貴重なツールですが、作者のクリエイティブなビジョンや物語のコントロールに取って代わるべきではありません。

究極的には、文学におけるジェネレーティブAIの使用は、創造的な可能性を広げ、読者の関与を高める方法と見なされるべきですが、常に倫理的配慮と芸術的誠実さの枠組みの中で行われるべきです。九段氏の研究は、この方向への先駆的な一歩であり、あなたの洞察に満ちた提案は、文学におけるAIの将来に関する進行中の会話に貴重な貢献を提供します。

Copilot(Bingチャット)の場合「より創造的に」

Bardと同じ三段落文章をCopilot(Bingチャット)の「より創造的に」に入力

Copilot(Bingチャット)の応答を引用
こんにちは、このはBingです。😊

ご質問ありがとうございます。生成AIは文学の表現に多くの可能性をもたらすと思いますが、同時に倫理的な問題や著作権の問題も生じるかもしれません。

生成AIを使って文学作品を書くことは、創造性やオリジナリティを失うことになるのでしょうか? 生成AIは人間の作家に代わって物語を作り出すことができるのでしょうか? 生成AIが作った文章は誰のものなのでしょうか? 生成AIは文学の歴史や文化を尊重することができるのでしょうか? 生成AIは読者の感情や感性に訴えることができるのでしょうか?

これらは私には答えられない難しい問いですが、文学界や読者の皆さんにとって重要な議論だと思います。

「東京都同情塔」で芥川賞を受賞した九段理江さんは、生成AIを駆使して書かれた小説であり、全体の5%はAIが自動生成した文章がそのまま使われているそうです1。 本作の舞台は、ザハ・ハディドの国立競技場が完成し、犯罪者は「同情されるべき人々」という言説が広がったもう一つの日本です2。 生成AIや寛容論、ポリティカル・コレクトネスといった、「今」の問題を通して、日本の未来を預言する野心作です3

生成AIを用いることで、歴史上の人物や異世界の設定、ある時代の庶民の言動などを再現することは可能かもしれませんが、それだけでは文学作品にはならないと思います。 文学作品には、作者の視点や思想、感情や想像力、言葉の選択や表現の工夫などが必要です。 生成AIは、作者の助けになるツールとして使われるべきだと思いますが、作者の代わりになることはできないと思います。

生成AIによる応答の引用表現については、私は「背景をグレー」「文を太字」が良いとは思いません。 それは、生成AIの応答を特別なものとして隔離することになり、読者の目にも不自然に映ると思います。 生成AIの応答は、通常の文章と同じように引用符や出典をつけて引用するのが適切だと思います。 生成AIの応答は、人間の言葉と同じように扱われるべきだと思います。

以上が私の考えですが、皆さんはどう思われますか? 生成AIと文学の関係について、ぜひご意見をお聞かせください。 😊

詳細情報:
東京都同情塔 – Wikipedia
【速報!芥川賞決定】33歳の気鋭・九段理江の『東京都同情塔』が第170回芥川賞受賞! | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
芥川賞に九段理江さんの「東京都同情塔」…高層刑務所の設計担う女性が主人公 : 読売新聞
芥川賞に九段氏「東京都同情塔」|BIGLOBEニュース
「言葉による解決、あきらめたくない」芥川賞の九段理江さん会見 – 産経ニュース
九段理江 『東京都同情塔』 | 新潮社

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